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放射線とは、電離性のある高エネルギー電磁波や粒子線のことを言いますが、電離性には、電離性と非電離性がありますが、ここでは電離性の放射線について説明します。放射線は、以下のように分類されます。


●粒子線(高速粒子線) β線
陽子線
重荷電粒子線
電子線
中性子線
宇宙線
●電磁放射線 γ線
X線

原子力発電所で作られる放射性物質は、ガンマ線、ベータ線、中性子線、アルファ線などです。
放射線が人体を通過すると、細胞内のDNAを傷つけられたり、細胞内の物質に損傷ができます。細胞が死ぬ場合は正常な細胞が再生しますが、傷ついた細胞は本来の機能を果たせなくなり無制限に増え続けます。これがいわゆる癌です。
アルファ線は、空気中では紙一枚も透過できないぐらい透過力が弱く透過力は数十ミクロン程度です。しかし、体内に放射性物質が入ってしまうと、透過力が数十ミクロンでも隣の細胞を傷つけてしまいます。また、アルファ線は短い距離ですべてのエネルギーを出す性質があるため、内部被曝はベータ線以上と言われています。
ベータ線は、空気中では1m、水の中では1mmも透過できませんが、体内に入った場合はアルファ線同様内部被曝が問題となります。
ガンマ線及び中性子線は、透過力が非常に強く体外からの外部被曝、体内からの内部被曝が問題になります。


年間被曝量はどれぐらいなのでしょうか?

日本人の平均年間被曝量は約1mSV(世界では約2.4mSV)と言われています。この内訳は宇宙から0.38mSV、大地から0.46mSV、食物から0.24mSV(日本アイソトープ協会より)になります。 つまり自然に受ける外部被曝(宇宙+大地)は0.84mSVです。これを、1時間に換算すると0.096μSV/hになります。これ以外の外部被曝としては医療系の被曝が考えられます。


  (単位:mSV)
X線 頭部(単純) 0.2
胸部(単純) 0.4
胃(バリューム) 3.3
X線CT 頭部 2.4
胸部 9.1
上腹部 12.9
下腹部 10.5
集団検診 胃(透視) 0.6
胸(撮影) 0.06

(日本医学放射線学会雑誌より抜粋)

年1回の人間ドッグ(胃のバリューム検診)をするだけで、年間被曝量の3倍になります。確かに医療は、将来癌になるリスクよりも今の危険な病気を発見するためのものなので必要です。被曝量と癌に関しては、短時間の強い被曝と、長時間の弱い被曝とでも違いますし、細胞の傷つき具合によっても異なります。ですので、ここで明記することは避けます。